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所長のひと言(51)「しっかり準備を!」

あっという間に、9月。
すでに秋山のシーズンとなってしまいました。

このブログの読者の皆さんの中には、
先日8日(水)、山岳総合センターが長野県と共同で開催した、
「信州山岳アカデミー」を視聴された方もいるかと思います。
近々、その時のトークセッションの動画を配信する予定です。
ご覧にならなかった方は、ぜひチェックをしてみてください。

トークセッションに参加された4人のパネラーの皆さんのお話は、
大変興味深く又参考になるお話でした。
パネラーの方のお話と同じくらいに私が興味深く視聴したのが、
第一部の大城和恵先生の講演「知っておきたい登山の医学」です。
秋山編ということで、主に低体温症のことについてお話をされました。

実は、私はまさに大城先生のお話通りの体験をしたことがあります。
その時の経験を少し書いてみます。

友人と二人で、登っているとき‥‥
その時は風が強く、気温は、金属製の水筒の中の水がシャーベット状になるくらいでした。
朝早く、まだ陽は射していない時間帯に登っていました。
一緒に登ることの多かった友人でしたが、いつもと何となく違うなと思っていると、休むたびに半分寝てしまうような様子。口数も少なく、元気がありません。
そのうちに、友人の身体が震え始めました。
私はあわててツエルトを出し、友人のザックをおしりに敷き、ガスの火をつけました。
場所は稜線だったので、ツエルトを飛ばされないように気をつけて。
もちろん、ガスの火でツエルトを焦がさないように注意を払い、水筒の中の水をコッヘルで温めて友人に飲ませました。
水以外に食べ物を出したかどうかは覚えていません。
友人のザックからフリースを出して、着せたのは覚えています。
ツエルトを準備してからは、少なくとも40~50分は経過していたと思います。

そのうちに、ラッキーなことにツエルトに陽があたってきました。
風は相変わらず強かったのですが、陽が当たるにつれて友人の震えは収まってきました。さらに悪化したのではなく、回復をしてきて震えが収まってきたのだと確信しました。
しばらく休んで、その後無事下山することができました。

上に書いた経験は、できれば避けたい経験です。
しっかり準備していれば、防げたことです。この点は、反省です。
もっと早く体調の異変に気付くべきでした。
でも、もし体調の異変に気付いた時、正しい低体温症の処置の仕方を知らなかったら・・・・・

トークセッションの中で、県警山岳遭難救助隊長の岸本さんをはじめ、皆さんが準備の大切さを話されていました。
登る前に、ルートの確認をすることや装備を準備すること、そしてトレーニンをすること等すごく大切なことです。
そして、登山の知識や技術を学ぶということも大切な準備の一つです。
安全に楽しく登るために、今回の「信州山岳アカデミー」のような学ぶ機会をぜひ利用していただければと思います。
山岳総合センターも、皆さんが登山について学ぶ機会を、今後いろいろな形で提供していきたいと考えています。

最後に写真を一枚。昨日撮影した写真です。
中央の白い部分が、トークセッションの中でお話が出た杓子沢です。
これが氷河と認定されるかもしれないということでした。
長野県民としては、楽しみが一つ増えました。
ちなみに左の建物は、白馬のジャンプ台です。

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