連日、全国でクマの出没がニュースになっている現状を受け、登山者向けにツキノワグマを知り、学ぶためのセミナーを開催しました!
クマの被害防止のためにセミナーを開催するのは初めての試みです。
ツキノワグマについて知ること、また、我々登山者が気を付けるべきことや、万が一の時の対策などについて、約1時間半にわたって学びました。

(松本地域振興局林務課の方が、県産材を使ったかわいい看板を用意してくださいました!ありがとうございます!)

初めは、「オフシーズンに入るし人が集まるかなぁ」と心配でしたが、講座の1週間前には定員を上回るお申込みをいただき、申込を締め切るほど!
皆さん、登山を楽しまれる方で、中には山岳関係者、ガイドさんや行政の方もいらっしゃって、関心の高さがうかがえました。

講師は、瀧井暁子さんです。
現在「けもの調査室」代表、またNPO法人信州ツキノワグマ研究会副理事長で、長野県クマ対策員も務めていらっしゃいます。
いわば、ツキノワグマのプロフェッショナル!
前半はツキノワグマの生態、後半は人身事故事例と、対策について、お話をいただきました。
生態については、長年にわたる追跡調査などの結果を踏まえたお話で、季節によって活動域が異なること、また、標高なども個体によって使い分けていることなどのお話をお伺いしました。
また、食べ物も季節によって変わったり、使っている場所によって、活動時間も変わることなど、大変興味深かったです。
様々な個体調査をされているからこそわかることと思いますが、それぞれ性格や、「月の輪」模様も異なることなど、クマを身近に感じられるようなエピソードもお伺いできました。
また、会場には、成獣と子熊のはく製をはじめ、様々な展示を準備してくださいました!!


フンもデカい!!
フンを洗浄して取り出した内容物も、色々なものがあってとても興味深かったです。
小さな小さなアリさんや、ハチ、植物の種など、色々なものが入っているそうです。

休憩時間には、皆さん大変興味を持って、展示品を見ていらっしゃいました。
実際に見たり触れたりすることで、理解や関心がさらに深まりますね。

クマの手足は、手袋のように手を入れることもできるようになっていました!
子どもさんたちにお話をすることも多いそうなので、これは人気が出そうな展示です。

様々な年齢のクマに関する展示がありました。
それにしても、すごい爪ですね!
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後半の講義では、人身事故事例、クマと出会った場合どのような状況で人身被害が起こりやすいか、また、クマに出遭わないための「予防原則」と、万が一の対応についてお話をお伺いしました。
登山者が気を付けるべきこととしては、自分自身が遭わないための対策に加えて、「人の食べ物の味を覚えたクマを作らない」ための注意点についてもお伺いしました。
本来のクマは大変臆病なもののはず。
「人馴れ個体」を作らないことは、大事なことですね。

また「万が一の対応」では、お隣の方と「クマ役」「登山者役」になって、防御姿勢を実践練習しました。
どのお話も大変興味深く、あっという間に1時間半が過ぎてしまいました。
瀧井さん、貴重なお話をいただき、本当にありがとうございました!!
瀧井さんが所属されている「NPO法人信州ツキノワグマ研究会」のホームページには、色々な情報が掲載されています。
https://kumakenshinshu.wixsite.com/kumaken
YouTubeチャンネルも紹介されています。
興味のある方はぜひ、ご覧ください!

