先日は、八方尾根で、高山植物の観察会を開催しました!
講師はお隣・市立大町山岳博物館副館長で、植物専門の千葉悟志さんです。

予報は曇りから、午後は雨予報。
ゴンドラやリフトを乗り継いで、集合場所の八方池山荘前までGO!

黒菱平も、かなり車が入っており、こちらから来られた方はリフト乗車が行列だったとのこと。

開講式の後、高曇りの中を歩き始めます。
まずは、登山口すぐ横にて、ゼンテイカ(ニッコウキスゲ)を観察!
花の作りがなぜこうなっているのか、「デイ・リリー」という名前の由来、虫たちと花の共生関係など、早速楽しいお話がたくさん!
ニュージーランドと日本の花の色の違いとその理由・・・という、ちょっと専門的なお話も聞かせていただきました!

こちら、トキソウの仲間は、草丈が小さくひっそりと他の草の陰になって咲いていますが、こちらも虫さんに花粉を運んでもらう工夫が!
千葉さんのお話がなければ、気づかないようなお花も、生き残る戦略をしっかり立てているんですね!

天気予報よりお天気も良く、日差しが出ると暑い!

とはいえ、標高は2000m近く、風と青空が気持ちいいです。

植物たちは、おしべとめしべの伸ばし方や、花粉を出すタイミングなども花によっていろいろだそうです。
自家受粉を防ぐという目的とのこと。
(ちなみに、千葉さんが示している本は、7月1日発行の雑誌「生物の科学 遺伝」。今号は高山植物の特集で、千葉さんも記事を執筆されています!高山植物に関する、最新の研究結果がたくさん掲載されていて、大変面白いです。
高山植物好きの方にお勧めです!)

ちょうど、色々な花が咲いていて、観察にもうってつけのシーズンでした。

八方池の雪もだいぶ溶けました!
↓ちなみに、4日前(下見の時)はこんな感じ。

だいぶ溶けましたね!

その後も、マルハナバチが賢い!というお話など、個性豊かな虫たちの行動についてもお話をお伺いできました。
山に登って、花や虫を見る目がずいぶんと変わりそうです!

帰りはパラパラと雨に降られましたが、千葉さんからは「雨が降り始めたら、花や虫たちの行動も変わるので、是非観察してみて!」とのお話が。
確かに、晴れた日しか開かないお花、結構ありますよね!

八方尾根で雨が降ると、何といっても怖いのが足元の蛇紋岩!
より滑りやすくなるので、皆で声を掛け合って慎重に下りてきました!

雨も小雨で済んで、無事、解散場所の八方池山荘へ到着!
千葉さんからは、身近な花もぜひ、興味を持って観察してほしいとご挨拶をいただいて、講習終了となりました!
参加された方からは、「うっとおしいと思っていたハエたちにも重要な任務があった!」、「できるだけ他家受粉できるよう花の色や構造を変えているという、花側の戦略が面白かったです。花の見方が変わります。」などなど、新しい学びも多く、とても楽しんでいただけたようで良かったです!
ご参加いただいた皆さま、楽しいお話をたくさん教えてくださった千葉さん、ありがとうございました!